友人に勧められてアイカツ!を観ることにした。
まずはAmazonで1話108円で購入し,面白くもっと続けて観たいと思うようになったら別の視聴方法を探そうという見切り発車で。
結果として11話まで観てバンダイチャンネルの月額見放題会員になった。
もしこれから観ようとしている人がいたら,初月無料,2ヶ月目からも月1,000円なので絶対バンダイチャンネルで観た方がいい。
期待外れなら初月中に解約すればいい話。
しかもAmazonより画質がいい。
他にも観たい作品が沢山見放題になっているので私は満足している。

さて第1話。
実はアイドルに思い入れのある人生を送って来たので,いちごちゃんがアイドルに出会う最初のきっかけであるこの第1話は本当に胸がいっぱいになった。
アイドルがどんなものだか分からないけれど,周りの子たちが夜眠れなくなる程興奮して語る様子。
きっとすごいんだろうな,でも自分にはどう見えるかな?別に私はハマらないかも知れないし,などとそわそわしながら初めてのライブに行く感覚。
思い出すだけでも泣けてくる。
アイドルと出会った日の自分に重ねてしまう。
私も高校の時友人にアイドルオタクがいて,その子についていく形でライブに行き,見事沼に落ちた。

あおいちゃんがチケットを手に入れるために「うちの隣に住んでいた,パパのいとこの娘のはとこの~」と遠い知り合いに頼んでいたことを明かした時,いちごちゃんとらいちは苦笑いって感じだったけど私は布教オタクあおいちゃんの情熱に落涙した。
ほんとに,この時を待っていて,ここは絶対にDVDや音源でなく生で見せたかったんだなって。
いちごちゃんがアイドルに出会う瞬間を絶対に何としても最高の形にしたいと,本気を出したんだなこの人は。
一時停止して泣きました。
あおいちゃんは,いちごちゃんが興味を持つまでずっとこの時を待っていたんだろう。
いつかは来てくれると確信しつつ,でもいちごちゃんが自発してくれるまでは押し付けたりしないように,いちごちゃんのアイドルの芽を大切に保護していたんだなぁ。
あおいちゃんが「穏やかじゃないわね,いちごからアイドルの話が出るなんて」と第一声を発した瞬間,この子はずっと待っていたんだ,この子のストーリーが今始まったんだ,これはアイカツ開始のファンファーレだ!!と興奮してしまった。
いちごちゃんがライブの後,すごかったなぁ……と眠れなくなるところ,鉄は熱いうちに打てと言わんばかりに転校をいきなり勧めてくるあおいちゃんの先走り感,とにかく熱いアイドル活動が始まってしまうことは,もう第1話の時点で確信した。
ウテナ観終わりました。
1話から39話(最終回)までと,劇場版。
だいぶ急ぎ足で観たので自分の感想をまだまとめられていないけど,形にしておきたいと思ったので少しずつ書いていけたらと思います。
色々な方の考察とかも読みたいな。
自分にとって大切な作品になりそうだと感じているので一話毎の感想を記しておこうと思う。
あくまで個人の感想なので,間違った解釈や予想,極端な表現等あるかと思いますが大目に見てください。
感じたことを書いておかないと,いつかそれがなかったことになったり,思い出せなくなったりしてしまうのが嫌なので。
その時その時の勢いに任せて書いていきます。
全然更新してなかった。
過去読んだことのある本ばかり読んでいて,新しい本に手をつけられていない。
最近は人生何度目かの中島らもブームで,さすがにいい加減作品を所有した方がいいなと観念し収集することにした。
基本的に図書館で借りることができるものはまず図書館で借りるようにしているが,夜中に急に読みたくなったり,持ち歩く時間の長い作品は買う。
人に貸したきり返ってこなかったり,実家に置きっぱなしになっていたりで,気に入った本はだいたい何度も買う羽目になる。
厳選して買うようにしているのに,買うとなると何度も同じものを買う。
何とも不自由。

さて恩田陸。
彼女の作品はどうも不穏だ。
いつも背中に鳥肌を立てて読んでいる気がする。
「いやな予感」が常に付きまとう。
その予感が次第に,不気味に,確かなものに変わっていく。
知りたいけど知りたくない,けど知らずにはいられない。
木漏れ日に泳ぐ魚も,そんな作品だった。
あまりひねりのある表現は多用せず平易な文章のように思えるのに,なぜこんなに上手なんだろう。
美しいシナリオと無駄な装飾のない緻密な表現,一気読みさせる名手だと思う。
まずミステリに於いて「今どこまで判っていて,何が謎のままなのか」「ヒントはどこにあったのか」をスムーズに確認させる,整理するシーンは必須だが,それがわざとらしかったり不親切だったりするといちいちそこで微妙なストレスが生じる。
恩田陸にはそれが皆無で,確認させられている自覚もなくしっかり確認ができている状態で進むことができる。
とにかく進行のうまさ,読むストレスのなさ,鮮やかな場面構成に感嘆する。

不気味さ,一気読みの気持ちよさ,読後呆気にとられるような感じ,夜更かしできる夏休みに是非読みたい作家のひとり。
ネクロポリスは長いけど一気に読めるからとってもオススメ。
新年一発目の読書は辻村深月のかがみの孤城。
1月1日の深夜から1月2日の明け方に読みました。
5時間くらいかかったかな。
辻村深月の文章は個人的に飽きるので続けて読めないんですが,今回は一気読みしました。
どんどん読みやすくなっていっていると思います。

いじめに遭い不登校になった主人公の女の子が自室に閉じこもっていると,ある日姿見が光って,その中の世界に連れていかれてしまう。
かがみの中はお城で,願いの間の鍵を探し出し,そこで願えばひとつだけ望みが叶う。
一緒にかがみの中に連れてこられた子供たちと,そのお城の秘密やそれぞれの事情を知り,成長していくって話。

本屋大賞受賞。
最終章,あなたは経験したことのない驚きと感動につつまれる―
らしい。

私も不登校だった時期があるんですが,どこで感動したらいいのかよくわからなかった。
泣くところもないし,かなり最初の方でオチは読めてた。
この人の怒涛の伏線回収,わざとらしい。
んでエピローグが恩着せがましい。

凍りのくじらの時と大体同じ感想。
あまり好きではない。
でも,理解はできるし,正しいと思うし,万人受けすると思う。
ただこの人の書きたい理想の世界が,私はいけ好かないというだけ。
シンプルに好みの問題で,私はこの人が好きじゃないんだと思う。
本としての質は安定している。

2019年

2019年1月17日 日常
あけましておめでとうございます。
自分は読んだ本を片っ端から忘れていくので少しでも記録しておいた方がいいだろうとこのノートを始めて,2回目の正月を迎えました。
実際書いてみて,自分が意外と本読まないことに驚きました。
年間100冊くらいは読んでるだろうと思っていたけれど,実際には20冊前後でしたね。
社会人になって本読まなくなるってマジだったんだ。
で,なんで本読んだ気になっていたのかというと,多分コラムを読んでるからなんですね。
一日中ツイッターやネットニュースやコラムを読んでいて文章に触れない時間がない。
でも,やはり本になっている文章は質が違う。
読みやすいんですよね。
それは複数人の手が入っているからでもあるし,文章を読む人を想定し,またその文章が今だけでなく何年も経ってから読み返されることを想定しているからだと思います。
堅実な文章とでもいいますか。公的な意識があるんですね。
インターネット上に掲載している文章は,タイムリーではあるけれどほとんどラジオのようなもので,繰り返し読まれたり,残り続けるものとして精製されていない。
そういった文章を読む機会と,本を読む機会は,別に用意しなければならないなと思うのと同時に,どちらかだけに偏ってどちらかが読めなくなる,受け付けなくなるという事態は避けたいです。
基本オタク気質なので変化を好まず,好きなものを好きなだけ,ずっとそればっかりでいたいと思っていますが,そうすることでどんどん自分が楽しめる,自分がユーザーであるコンテンツが減ってしまうのは嫌なので。
本を沢山読みたいけど,コラム等を読む時間はあまり減らしたくないし,欲を言えば今年は素人作品やライトノベルみたいな,今まであまり触れてこなかった文章の形態にも触れてみたいなと思っています。

あと最近速読練習しています。
趣味の小説を読むためではなく仕事のためのインプットを早くするため。
以前にも速読の本を読んで,付属のCDを聞きながらやったことがあるんですが,あれは結局のところ文章を全部音にしてるんですよね。
高速で文章を読み上げている。
でも速読をするためには音にするよりも早く読めるようになることを目指している。
なので今回は音にせず視線を縦横無尽に動かして大事なワードを拾う感度をあげる,というような速読術です。
5秒で強制的に1頁めくってしまい,文章を読むのではなく見る,という訓練。
できるようになれば,本を5周くらいすると内容が読み込めるようになるそうで,1頁5秒×頁数×5周で,300頁なら125分……
え?!125分あれば300頁普通に読めるじゃん!!笑

今までやってたのはなんだったのか。
まぁそんなこんなで今年もよろしくお願いします。
面白い。
20世紀を代表する哲学書であり最も難解といわれる。
Amazon kindleで無料だったので読んでみたけど、詩集を読んでいるような感じ。
「言うことができることは、クリアに言うことができる。そして語ることができないことについては、沈黙するしかない。」
哲学というのは、すでにある自明の事実を、まったく誤解のない形で言葉にする作業。
だから何も生み出さないし、「わかっていることがわかるだけ」「わからないということがわかるだけ」。
哲学とは突き詰めていくと「どれだけ正しく言語化するか」ということで、その言語化している時に生じた間違いやズレによって「論理的でない思考」や「その結果矛盾のある哲学」が生まれてしまう。
本当はそんなものは初めから存在しておらず、間違った解は途中で必ず間違えているから発生する。
そんなことが書いてある(ように見える)

この本は30分くらいでパラパラと読んだ。
理解しようとして理解できるわけもないので、直感的に全体を感じるために。
「人は思考するとき言葉を使うので、言語化できないことは思考できない」というのをどこかで読んだ気がする。
これもそのようなことで、「考える」というのは「他人に伝える」以前に、「自分を誤解させない言語能力」が必要で、適当に言葉を選んでいたら適当な答えしか出せない。
考えるときこそ繊細なニュアンスで、間違いのない、ズレのない言葉をチョイスしなければならない。

これは「もうすぐ無料期間が終わるよ!」というポップアップで慌ててダウンロードしたけれど、折を見て読み返せるように紙の本で買ってもいいかもしれない。
これも読んでなかったシリーズ

江國香織のエッセイ初めて読んだんだけど、マジで妹がいてそれを溺愛してるらしく「やっぱりね」という顔をした。
これは読んでいい本だった。
いろいろ最近読んだ本なんかが書かれていて、江國香織がこんな風に感じる本ならぜひ私も読んでみよう、と思う本がたくさんあったのでメモしながら読んだ。
やはり作家はいろんなところを旅したり、いろんな本を読んだりするべきだと思うし、その新鮮な空気の中で書いた文章はやはり新鮮な感じがして、おいしく私の養分になる気がする。

・愛は束縛
・プラテーロとわたし
・手のひらのトークン
・アマリリス
・トラッシュ
・橋の上の天使

を本の中からピックしたので、今後図書館で読める機会があったら探して読んでいく。
これも、好きな作家の本でありながら手に取らなかったシリーズ。
江國香織はほとんどの作品共通して「姉妹」の本だ。
実際に血がつながっていなくとも、女が姉妹のように生きていくのを描く作家。

これは兄妹の本である。
その時点で破綻のにおいがする。
正解。
これは最初から破綻した本である。
江國香織作品の魅力である美味しい飲み物も、自立した面白い女性も出てくる。
奇妙で無条件な存在である子供も出てくる。
兄も風変わりで周りの人を心酔させる理由も分かる。
それでもこの本は崩壊している。破綻している。
兄なんか描こうとするからだ。
それはこの世に存在しない、幻想の中にしか生きられない生き物だとでもいうように、時間が歪み、世界が歪み、夢のないファンタジーがただ拡張を続け、収集のめども立たない。
江國香織の世界の中で、血のつながり以外に説明のつかないほど意思の通じる男性など存在するはずがない。
なのにそれの存在をまず定義した結果、世界の方をゆがめざるを得なくなってしまった。
そんな印象を受けた。
まばゆいほどの江國香織エッセンスを詰め込んだにも関わらず、評価しようのない「無理」を感じてしまう作品。
好きな作家の本でも、なんとなくタイトルや内容紹介で敬遠してしまう本はいくつかある。
読みたい本が全部読み終わっても、なぜかずっと手にしていない本たち。
それを掘り起こそうと最近思い立ち、ようやく読むことになったのが「とかげ」。
嫌だったわけではないんだけど吉本ばなな作品の中でどうも食指が動かなかった。

一人で日帰り温泉旅行に行きながら読んだ。
暖房が効いた電車の中で。
お風呂から出たぽかぽかの身体で畳に寝転がりながら。
やはり吉本ばななは、私の人生に必要な時必要な本を読むよう、不思議なエネルギーでもってコントロールしているんだろう。
気味が悪いほど、そうだ。
スウィート・ヒアアフターもそう。
ハゴロモもそう。
王国もそうだったし、ハチ公の最期の恋人もそうだった。
私の人生の必要な時にしか現れてくれない。
でも必要な時にはちゃんと必要な本を届けてくれる。
スピリチュアル的なものを感じずにはいられない。

自分が干からびそうになっている時、
自分が起き上がれなくなっている時、
自分がもうどうしようもなく死んでしまった時、
それでも、吉本ばなながきっとその時にふさわしい本をくれるんだろう。
イギリスの億万長者、フェリックスデニスの成功論。

まぁ一言でいえば「自分を信じて行動しろ」ってことが繰り返し書かれている。
金を生むのはアイディアではなく、それを形にする方法だ。
サンプルでいいからとにかく形にしろ、行動しろ、失敗しないで成功することなどありえないので人より多く実行に移せ、寝る間も惜しんで仕事をしろ、金持ちになりたいのか豊かな人生を送りたいのか目的をはっきりさせろ、失うものが何もなく手にしたいのは金だけだと思える人以外は金持ちを目指すべきではない、というようなことが書かれている。


恋愛工学の本を読んだ時も思ったんだけど世の中には「モテたい」と言いながら「本当はモテたいわけではない人」がいる。
「金持ちになりたい」と言っても「本当に金持ちになりたいわけではない人」がほとんどなんだろうと思う。
「痩せたい人」「勉強したい人」「運動したい人」なんにでも言えることで、「本当にそれを望んでいるのか」という問いに窮するようでは、そこを目指すフリをするのはやめたほうがいい。

目標を達成するためには苦労をいとわないといえるほどの望みを持てる人は、結局のところ成功する。
それは人類の数パーセントしかいないんだってことですねぇ。
実行に移す。
言葉でいうのは簡単だけどほんと難しい。
16冊目 頭は「本の読み方」で磨かれる 茂木健一郎

本を読むことがどんなに人生を豊かにしてくれるか、ということがずっと書かれている。
けれどそれを本にしたところで、すでに本を読む習慣のある人にしか届かないのでなんかトンチみたいなことになってる。

テレビを見ている人にテレビ番組で
「テレビにはいろんな種類の番組があるし、自分の手に持っているリモコンでそれは自由に切り替えられます。しかも音量も調節できます。明るさも!」
って言っているようなもので、すでにテレビをつけてその番組を見ている人には周知の事実だし、テレビを見ていない人には一生その情報って届かないよねっていう。

あらためていうまでもなく自明のことしか書いてないので、本を読みたいけどほとんど読んだことがない人とかに読ませるべき本なのかな?
でもそういう人はまずいろいろな本を読んでみれば、ここに書いてあることは自然にわかっていくはずなので、あえてこの本を読む必要はないかな。

時々あるよね、こういう、「これをするとこんなことが待ってるよ」っていうヴィジョンを提供するだけの本。
「行政書士がわかる本」とかそういうやつ。
実際勉強するでもなく実務を紹介するでもなく、ヴィジョンを提示するいわばレクリエーション的な本。
わりと誰得だと思っている。
でもまぁここに書いてあることを「自明では?」と思えるのは今までの読書経験あってこそなのかもしれないし、それを確認できただけでも……

ここに書かれている「チャンピオンの本」は来年制覇したいな。
興味湧かなくて読めないのでないかぎり。
監督 ロブ・ライナー
主演 ジャック・ニコルソン, モーガン・フリーマン, ショーン・ヘイズ

末期がんと診断された貧乏で真面目なおじさんと金持ちでわがままなおじさんが、二人で人生の締めくくりに旅に出かける話。

貧乏で真面目なおじさんは、自分の人生は我慢の連続で恵まれていなかったと思っている。
けどお金をかけていろんなところを豪遊した結果、自分には家族がいたじゃん、それって超恵まれてたじゃんってことに気づく。
金持ちでわがままなおじさんは、金でなんでも出来たから自分の人生なんも不自由なかったと思ってる。
でも豪遊した結果、金では手に入れられなかったものにちゃんと向き合って、人に感謝したり謝ったりしてみようと思うようになった。
お互いに死ぬ直前に大事な友に出会えてよかったね、って話。

死ぬまでにやってみたいことリストを作って二人で実行していくんだけど、まぁ金の力でじいさんたちが豪華な旅をするんですわ。
うーん、そりゃお金がそれだけあれば死ぬ直前じゃなくてもやりたいことどんどんやってみるんじゃねえか?
うらやましいことこの上ない。
話の進行、絵面の美しさ、映画として非常にわかりやすくて、人と食事しながら見たりするのにいいかなという感じ。
軽い気持ちで見ても重い気持ちで見ても、まぁ適度に楽しめるんじゃないかな。

サヨナライツカ

2018年12月14日 映画
監督 イ・ジェハン
主演 中山美穂, 西島秀俊, 石田ゆり子

原作者はあの辻仁成。
中学の頃大好きだった作家。
今ではあんまり好きじゃないけど笑

人は死ぬとき、愛したことを思い出す人と、愛されたことを思い出す人がいる。
私はきっと、愛した人を思い出す。

ちゅーわけで、イケメン、出世街道まっしぐら、きれいな婚約者、何もかも恵まれた男が、出張先のバンコクでこれまたずば抜けた美人と出会って恋に落ちて婚約者ほったらかしちゃうけど、でも自分の輝かしい人生捨てることが出来なくて結局婚約者のところに戻る。
でも社長になって子供も大きくなって、やっぱり愛したのはお前だけだったー!ってなってバンコクで何十年か越しに会って、その不倫相手もずっと自分のこと待っていてくれていた!っていうすごい男の夢が詰まった作品。

恋ッテイイデスネ
監督 矢崎仁司
主演 池脇千鶴, 中越典子, 中村優子


池脇千鶴大好き。
四人の女性の恋愛を通して繊細な女心を描いた作品らしい。
これも漫画原作であるとか。
どうも、いくつかのシーンを見たことがあるような気がする。
昔何かで観たのかもしれない。

棺桶を寝床にして死ぬためのマンションを買うお金を稼ぐデリヘル嬢。
そのデリヘルの電話番をしている夢見がちな女。
恋に生きては失敗するOL。
それとルームシェアしている自尊心が高い過食嘔吐のイラストレーター。

デリヘル嬢とイラストレーターが好き。
イラストレーターは原作者が演じていたらしいけど全然素人っぽさはなかった。
むしろ芸術家というかクリエーターだなぁという神経質な感じが、いかにもでよかった。
デリヘル嬢は学生時代の友人に片思いしていて、その男の前では色気を完全に消して、化粧もせず髪も結って眼鏡をかけて、俺たち友達だよな!みたいなフリをわざとする。
相手には彼女がいるから。
自分を殺して、棺桶の中で眠って、化粧をして、エロい恰好をして、仕事をして、そのお金をトランクに放り込む。
お金が貯まったら5階以上のマンションを買う。
5階より高くないとちゃんと死ねないらしいから。
その健気さが可愛いし、その儚さが色気になる。

女ってかわいいなぁと思う。
監督 田口トモロヲ
主演 多部未華子, 綾野剛, 松坂桃李


多部未華子を「性や恋愛や人生設計にだらしがない女」として起用することに驚いた。
私の印象だと多部未華子ってちょっと男女関係に潔癖で、頭が固く堅実な生き方を好みそうな顔だと思っていた。
それか、そんなこと考えたこともないような、のんびり無害な性格か。

綾野剛をこんなふうに毒気のないただの純粋にいい人なだけの近所の年上男性として登場させたことも意外だった。
私の印象では綾野剛は登場しただけで人のおだやかな生活を脅かすほどの駄々洩れセックスアピールで自覚的に人の人生を蝕むタイプの男だと思っていた。

どうも、どちらの俳優も本来の良さを少し失っていたような気がする。
作品としては可もなく不可もなし。

聖の青春

2018年12月14日 映画
監督 森 義隆
主演 松山ケンイチ, 東出昌大, 染谷将太

若くして病で亡くなった名棋士の、実話を基にした映画。
あの羽生名人と同世代、子供の頃から腎臓が悪かった村山聖先生の話。
腎臓内科で透析に関わる仕事をしていたので知ってはいたが、関連作品を見たのは初めて。
松山ケンイチの演技も好きだな。
あと本当に驚いたのは東出昌大の羽生名人。本物かと思った。
若い時の羽生名人の浮世離れした雰囲気、雲の上の天才という存在感をしっかり出していた。
天才というのは、村山先生にしろ羽生名人にしろ、人を動かす力がある。
自分の利益にならないことでも、協力したいと申し出る人が出てくる。
村山先生の師匠が、本当に村山先生を掛け値なしに可愛がって奔走していたのは、それだけの力が村上先生にあったからで、決して病気のためだけじゃないと思う。
映画作品として特筆すべき素晴らしいシーンとかは特になかったけれど、実際棋士ってフィクションかと思うような人ばっかりだもんな。

溺れるナイフ

2018年12月14日 映画
監督 山戸結希
主演 小松菜奈, 菅田将暉, 重岡大毅

小松菜奈本当にかわいい、美しい。
インテグレートのCMでいつもかわいいけど名前分からないと思っていた女優さんだった。
本当に顔面が最高、手足の細さ・長さが最高。
菅田将暉も最高。本当にこの人「惚れざるを得ない」人間を演じたらピカイチだな。
ただ単にスペックがいいとか顔がいいとかじゃなく、抗えない吸引力がある。
カリスマ性というか。
生物として、遺伝子として強者にしかないオーラがある。
それを俳優という職業で金に換えたのもすごい。
多くの人は具体的で建設的で分かりやすい長所を持つか、若しくは短所を持たないか、そこに近づける努力でもって職を手に入れ生活をしているのに、生物として魅力があるという漠然とした長所を金に換えたのは本当にすごい。

溺れるナイフは元々少女漫画らしく、原作ファンにはこの映画は非常に不評だ。
菅田将暉が素晴らしい以外に褒めるところがないらしい。
でも私が見た限り映画単体としてよくできている。
まず画面が美しい。
映画の良さはそこに尽きると私は思っている。
海、神さん、カリスマ美男子とモデルの美少女、猛烈に理由なく惹かれ合う様子、具体的に力を持たない子供の恋愛のスピード感。
どれも非常に気持ちよく描けていたし、原作は結構長いらしいが映画一本の時間で十分に作品としては出来上がっていた。
さっぱりと観終わった後で酷評を読み、ちょっとびっくりしたくらいだった。

監督 松岡錠司
主演 小林薫, 高岡早紀, 柄本時生

深夜食堂はドラマをずっとアマゾンプライムで観ていた。
主題歌の「思ひで」はアイルランド民謡に日本人が歌詞をつけたらしいが、
歌詞といいメロディーといい、歌声といい、どうしようもなく郷愁を駆り立てられる。
映画版もとてもいい。
「いい人間」「悪い人間」なんて人間は決められない。
いいところや悪いところをみんな持っているけれど、それを好きな人も嫌いな人もいる。
誰もが自分の人生しか生きられず、他人になることはできない。
自分にとっていいか悪いか、好きか嫌いかで判断するしかない。
共感しようがしまいが、そこにそういう人は存在し続けるし、自分もそうやって生き続ける。
人に嫌われたからって消えたり、変わったりすることなく、そこに存在し続けるしかない。

人間っていいなぁなんて思うことは少ない。
だけど、人間を嫌いになることもできないんだろうな、と思う。
あと無性に豚汁を食べたくなるし、酒を飲みたくなる。

私はもしかして実写のミュージカルが苦手なのかも知れない。
ディズニーは嫌いじゃないんだけど。
両方とも途中まででギブアップした。

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