10冊目 風立ちぬ 堀辰雄
2018年9月18日 読書風立ちぬ,いざ生きめやも。
10冊目 風立ちぬ 堀辰雄
映画の風立ちぬとは違うんですね。
飛行機出てこない。
作家である主人公と,結核の婚約者の話。
この作家と婚約者は,そのまま著者と亡くなった奥さんがモデルだそう。
自分の愛する人がどんどん衰えて死に近づいていくんだけど,一日一日を大事に過ごす中で,この日々は死があるから美しいんだ,死というものに侵されていく妻だからこそこんなにいとおしいんだということを自覚している。
献身的で悲劇的な自分に酔いながら,酔っているのも事実だけど,でも心から沸き起こる愛情もまた事実だと,かみしめながら過ごす。
恋人が死に近づくたびに,いっそう自分の生を実感していく。
さあ死のう,と,さあ生きよう,はほぼ一緒だ,というのがこの
「いざ生きめやも」なんですねぇ。
サナトリウムでの日々,自分に対して何かしてくれるでもなく,ただ懸命に生きているだけの恋人のそばにただ座っているだけの日々を,とにかく愛おしく美しいものとして描いていることが,なんだか不思議で知らない世界のことのようだった。
自分の愛に酔っていると主人公は感じていたみたいだけど,こんな,動けない病人に対して絶え間ない愛情が湧く男性もいるんだなぁと。
こういうただただその人が愛しい,その人がいてくれたら幸せ,という感覚,いいなぁ~。
などと思いました。
10冊目 風立ちぬ 堀辰雄
映画の風立ちぬとは違うんですね。
飛行機出てこない。
作家である主人公と,結核の婚約者の話。
この作家と婚約者は,そのまま著者と亡くなった奥さんがモデルだそう。
自分の愛する人がどんどん衰えて死に近づいていくんだけど,一日一日を大事に過ごす中で,この日々は死があるから美しいんだ,死というものに侵されていく妻だからこそこんなにいとおしいんだということを自覚している。
献身的で悲劇的な自分に酔いながら,酔っているのも事実だけど,でも心から沸き起こる愛情もまた事実だと,かみしめながら過ごす。
恋人が死に近づくたびに,いっそう自分の生を実感していく。
さあ死のう,と,さあ生きよう,はほぼ一緒だ,というのがこの
「いざ生きめやも」なんですねぇ。
サナトリウムでの日々,自分に対して何かしてくれるでもなく,ただ懸命に生きているだけの恋人のそばにただ座っているだけの日々を,とにかく愛おしく美しいものとして描いていることが,なんだか不思議で知らない世界のことのようだった。
自分の愛に酔っていると主人公は感じていたみたいだけど,こんな,動けない病人に対して絶え間ない愛情が湧く男性もいるんだなぁと。
こういうただただその人が愛しい,その人がいてくれたら幸せ,という感覚,いいなぁ~。
などと思いました。
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